Rosa†Antica(ロサ・アンティカ) - アンティーク・レトロ雑貨店店主、女優、人形作家、由良瓏砂のブログ

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03

30

23:45
Mon
2020

No.0304

鵺的『バロック』

私の所属事務所では、月に数回、演技ワークショップを開催しています。
その講師として時々いらして下さる笹野鈴々音さんは、ホラー女優として定評のある方で、先日レポートを書いた『犬鳴村』にも出演されていました。
その鈴々音さんが出演された、演劇ユニット鵺的の第13回公演『バロック』を今月初め、下北沢スズナリにて観劇してきました。
チラシや宣伝文句を見ても、絶対私が好きな舞台だ!と確信できました。

下北沢に着いたのが結構ギリギリだったので、劇場まで走って滑り込みセーフ。
早い段階で完売したとあって、客席は当然満席。
開場早々に、轟音が客席を襲います。
ゴシックな洋館のセットの中を、台詞を喋りながら階段をゆっくり下りてくる鈴々音さん。
到底台詞が聞き取れるような音響ではないのですが、舞台上に集音マイクが設置してあるのか、声が響いて聞こえます。
シーンが変わると、男女が話しているのですが、先程とは一転して聞かせたくないのかと思うような話し声で、音圧の差に戸惑います。
屋敷を解体する話が進んでいて、執事と解体業者、保全に努めてきたNPO団体の担当者とが会話しているのですが、どうやらこの屋敷には何かいるらしい・・・。

兄弟たちの屋敷での幼少時のエピソードが差し挟まれる。
取り壊しの決まった屋敷で最後の晩餐を、との母の意向で、久しぶりに集まった家族たち。
事なかれ主義の父と病気で先の長くない母、父の不倫相手である秘書、屋敷に取り憑いた幽霊である伯母、その伯母に焦がれるあまり狂ってしまった長兄、妹への近親愛に苦悩する次兄と進んでその愛に身を投じる長女、養子である三男と相思相愛ながらそれを秘する次女・・・。
それぞれの関係性と心の裡が描かれてゆく。
外は嵐となり、有り得ない程に続く轟音、突如揺れ出すシャンデリア・・・恐怖がいや増してゆく。
落雷により落ちる照明。懐中電灯とスマホの明かりだけが、登場人物たちを照らし出す。
位相空間の断絶が起こるも、何故か解体屋のみがその間を自由に行き来する。
そして、呪われた血の秘密が明るみに出る・・・。

役者陣皆素晴らしかったです。
福永マリカさんの演じ分けとか。鈴々音さん演じる母親の理不尽さとか。
それに、次女を演じた春名風花さん!
Voyantroupeの『Paranoia Papers ~偏執狂短編集Ⅳ~』で拝見した時も思いましたが、台詞回しが舞台女優らしくて非常に聞き取りやすい。
次兄はチャラ男と見せ掛けて実は誰よりも苦悩していたという、そのギャップに抉られました。
お父さんと解体屋さんは、とても良いキャラで重いストーリーに笑いのアクセントを差し挟んでくれました。

この物語が素敵なのは何といっても、私の大好きな『恐るべき子供たち』と同じく、真の主役が屋敷であるところ。
「天空の城ラピュタ」でラピュタを壊すのが人間のエゴに思えて物凄く納得いかなかった私は、『バロック』のラストが好き。
人間なんてほんのちっぽけな存在で、たからこそ足掻いたり苦しんだりする姿が、愛おしく感じられるのだと思うのです。
「死が二人を結び合わせてくれますように」と、二組のカップルの為に、願わずにはいられませんでした。

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03

27

03:39
Fri
2020

No.0303

SPINOR夜学ブックトーク 内山昭一『昆虫は美味い!』レポート

SPINOR夜学ブックトーク、私がナビゲーターでの第2弾は、昆虫食の第一人者、内山昭一氏の『昆虫は美味い!』でした。
昆虫食にはそこそこ興味があり、時々高田馬場「米とサーカス」や新宿「パンとサーカス」で食べたりすることもありますし、《哲学者の薔薇園》常連の豚蛇さんあんずさんらは時々内山氏の昆虫食イベントにも行かれるそうなので、是非内山氏をお呼びしたい、と思ったのです。
近刊を調べて『昆虫は美味い!』が今年の初めに出版されたと思ってオファーしたのですが、後でよくよく確認したところ、2019年1月の出版でした。

コロナ騒ぎで自粛するイベントも大分出ている中、ご他聞に漏れずSPINOR夜学講座も幾つか中止になったとのことで、どうしますか?とギャラリーオーナーの伴田さんよりご連絡。
が、昆虫食に興味を持つ程の人ならきっとサバイバル力に優れ、免疫力も高いのではないか、と希望的観測を抱き、3/13予定通り開催しました。

内山氏とメールで打ち合わせて、当日のドリンクはアゲハの糞茶もしくは瓶のタガメサイダーをお出しすることにしました。
他にもお茶請けを持ってきて下さるとのことだったのですが、予定より更に沢山の食材を持ってきて下さって感激!

当日お持ち頂いた昆虫たちは、以下の通り。

タガメサイダー
アゲハ糞茶
イナゴ佃煮(タイ産、国産)
カイコ佃煮
ハチの子佃煮
ザザムシ佃煮
コオロギドライ
コオロギ粉末
アブラゼミチョコがけ
タガメ香料
マダカスカルゴキブリ生体

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手前から時計回りに、ザザムシ、ハチの子、カイコ、イナゴ。

受講者のうち2名が、残念ながら体調不良で当日キャンセルとなりましたが、人数的にはテーブルを囲んでお話を聞くのに、ちょうどよい感じでした。
実は私、当日ミスをやらかしてしまったのです。

内山氏がPCをお持ち下さると言うので、それなら会場のプロジェクターに繋げるな、とすっかり安心していた私。
当日、内山氏のPCをセッティングして、と相方に頼むと「ケーブルが無いよ」と言うのです。
仕方なく、ノートPCのモニターを皆で見ることになってしまいました。

皆さんにアゲハの糞茶を振る舞い、タガメサイダーは希望者に買って頂くことにしました。
『昆虫は美味い!』で紹介されている虫たちの画像や動画を流しつつ、講義を進めていく内山氏。
私は紹介されている虫を皆さんに回して、味見して頂きながら、自分もお相伴に預かりました。
ただ一人、頑なに食べることを拒む相方。
甲殻類アレルギーなので、警戒するのは無理もないんですが、それ以前に虫を食べるという行為が彼的に有り得ないらしい。

本を読んでいて、ウナギに似ていてもっと味が濃くて美味しいというハチの子や、マグロのトロに似ているというカミキリムシの幼虫、桜の香りのサクラケムシなどはぜひとも食べてみたい、と思っていました。
紹介された虫のうちの幾つかは実食できた訳ですが、私が一番美味しいと思ったのは、確かタイ産だったかの瓶詰めのイナゴの佃煮で、食用に養殖されているというだけあって、香ばしい風味がありました。
他のものも美味しかったのですが、セミのチョコがけだけは、固すぎて食感がいまいちでした。
セミ、揚げたては美味しいんじゃないかなと思います。

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上からイナゴ、アゲハ糞、コオロギ粉末、コオロギドライ。

私は、同じ事務所のモデルの河谷ゆなさんと一緒に昆虫を食べに行き、タガメを解体した時の動画を流しました。
タガメが本当にラフランスの香りだったので、びっくりして歓声を上げている声が入っています。
内山氏も瓶に入れたタガメを持ってきて下さり、皆で回して匂いを嗅ぎました。
ラフランスの香りに、ちょっと生臭い匂いが混じっていました。

20200313_211214.jpg
左がマダカスカルゴキブリ、右がタガメ標本

驚いたのはマダカスカルゴキブリで、てっきり標本かと思っていたら「生きてますよ」と内山氏。
飼育中のゴキブリさんを持ってきて下さったのです。
羽のないゴキブリで、可愛かったです。

時間が結構ギリギリになり、最後は駆け足に。
既刊も色々持ってきて下さっていて、本当はサイン会もしようと思っていたのですが、すっかり失念してしまいました。
皆で恒例の集合写真を撮り、講座終了。
受講してくれたタカシ君が、ものすごく虫に詳しくて、内山氏に気に入られ、「一緒に虫取りに行かない?」と誘われてました。

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笑顔でピースする内山氏、可愛い。

内山氏の昆虫食イベントは、「米とサーカス」や阿佐ヶ谷の「よるのひるね」で度々開催されています。
ご興味を持たれた方は、ぜひとも行ってみて下さいね。

昆虫食を楽しもう! | 内山昭一が主宰する昆虫料理研究会 |

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03

17

23:56
Tue
2020

No.0302

彩の国シェイクスピア・シリーズ第35弾「ヘンリー八世」

日本を代表するシェイクスピア俳優といえば、吉田鋼太郎。
吉田氏の舞台を一度観てみたい、と思いながらも、なかなか機会を得られずに今まで過ごしてきました。
そんな時、アルバイト先の同僚に紹介して頂いた工藤俊作さんが、吉田氏の演出によるヘンリー八世の舞台に出演されるという、またとないお話を聞きました。
チケットは既に完売していたのですが、関係者チケットならまだ予約可能ということで、お願いしました。

観劇前に予習しようと、ヘンリー八世の戯曲を入手しようと思いましたが、意外とマイナーらしくて適当なものが見つかりません。
離婚問題でカトリックから英国国教会が分裂するきっかけになった、ヘンリー八世ですが、シェイクスピアの取り上げ方はそこまで劇的ではなかったようです。
時間的にも余裕が無かったので、読むのは諦めました。

そもそもシェイクスピアの戯曲、私意外と読んでないかも知れません。
ハムレット、マクベス、オセロー、リア王、ロミオとジュリエット、真夏の夜の夢、ヴェニスの商人、十二夜、そんなものかな?
たぶん私の好み的には「テンペスト」が外せないと思うんですが、まだ未読です。
お芝居で印象に残っているのは、和泉元彌さんと羽野晶紀さんが演じた「ロミオとジュリエット」。
ロマンチカの原サチコさんがパックを演じた「真夏の夜の夢」も、素敵でした。

コロナ騒ぎで演劇やライブなどが次々に中止になっている中、上演してくれる有難みを感じつつ、初めての彩の国さいたま芸術劇場へ。
駅周辺にはあまり施設などもなく、がらんとした感じ。

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劇場の入口から、奥の方にある大ホールへ。

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席に着くと、舞台には大きな階段が設えられた豪華なセット。
シンセサイザー?の音が上層から降ってきて、見上げると鍵盤奏者が生演奏をしています。
音の連なりに誘われるように、物語が開幕。

冒頭、ヘンリー八世のベッドシーン、周囲を取り囲む登場人物たち、どこか悲劇的で不穏な空気が圧し掛かる。
貴族たちの枢機卿に対する不信感を述べるシーン、長い台詞回しを見事に操るバッキンガム公と、ノーフォーク公。
ウルジー枢機卿の暗躍により、バッキンガム公は投獄され、処刑される。
優しく気高い王妃キャサリンと、枢機卿との対立が描かれる。
だが、王が見初めたアン・ブーリンとの再婚は、枢機卿にとっても望ましいことではない。
枢機卿は首尾よく王妃を追放。次いでアン・ブーリンとの再婚を阻止しようと企むが、その手紙を王に見つかり、失脚。
改心し死んでゆく枢機卿。
追放されたキャサリン王妃も、頼るものもなく死んでゆく。
ラストはエリザベス一世の洗礼式。
カンタベリー大司教クランマーの祝福を受け、豪華な行列が客席を縫って降りてくる中、観客は前もって渡された旗を振り、王と王妃を歓迎する。

休憩挟んで3時間越えの大作だったのですが、前半の悲劇調と後半の喜劇調が、とても対比的でした。
最初、キャサリンが慈悲深い王妃という設定の割に性格がきついように見えて、うーんと思っていたのですが、ウルジーとの対決シーンで王妃としての誇り強さを露わにすることで、柔弱さを表に出せない立場の苦しみが心に迫ってきました。
また、王に言い寄られて絶望するアン・ブーリンの姿にも、自らの運命をどうすることもできない苦しみに涙を誘われずにはいられませんでした。

一方、後半は喜劇的な演出多し。
吉田鋼太郎氏演じるウルジーが、やはり圧倒的でした。
失脚し身ぐるみ剥がれるシーンでは、あまりの嘆き悲しみように哀れというより滑稽さが勝って客席が沸き立つ。その表現力!
また、カンタベリー大司教に対するヘンリー王のあしらい方が、こうするしかなかったのだなと思いながら演出の妙で笑いを誘われました。
というのも、大司教という立場にしては、演者の金子大地さんが初々しすぎるのです。
さすがにちょっとミスキャストではないかな、と思いました。

阿部寛氏のヘンリー王は、生まれながらの王の威厳と風格があり、はまり役だと感じました。
意思の強さと思慮深さを兼ね備えた王に見えましたが、それでも腹黒いウルジーの企みを見抜けなかったり、非の打ち所のない妻である王妃を追い出したり、観ていて歯痒い。
演出が巧みでしたのでカタルシスはありましたが、シェイクスピアの戯曲にしては、主人公の姿がそこまでドラマチックに描かれているとは言えないかもしれません。
どちらかというと、群像劇の印象が強いお芝居でした。

工藤さんはどの役か知らずに行ったので、見つからなかったらどうしよう、と思っていたのですが、メインキャストのサフォーク公でした!
渋い貴族役で、背が高いので軍人姿がとても格好良かったです。
終演後、楽屋にご挨拶に行ったら、一緒に写真を撮って下さいました。

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工藤さんから翌日以降の公演が中止になったと聞き、まさに滑り込みで観劇が間に合ったことが奇跡に思えました。
残り3日4公演と、その後に予定されていた大阪及び九州公演も、中止になったそうです。
一体、どれだけの人が涙を飲んだことでしょう。
新型コロナウイルスの蔓延が一刻も早く収束するよう、祈るほかありません。

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03

13

16:24
Fri
2020

No.0301

《哲学者の薔薇園》オカルティズム講座第十回 「宇宙の法則 引寄せと奇跡の秘術」 レポート

2月のオカルティズム講座は、龍縁寺住職にして、不動産業、運営コンサルタント業、貿易、セミナー講師、気功師と、様々な顔を持つ、市川妙英さんを講師にお迎えして開催しました。
私の不手際と、コロナの影響もあり、受講者数がいつになく少なかったのですが、これも何か意味があるのかも、と思わされました。
というのも、内容的にかなり人を選ぶかもしれないと思ったので。

市川氏のプロフィールを掲載されているサイトを見ると、ものすごく数奇な運命を辿ってこられたようです。
ご興味のある方は、こちらをご参照下さい。


出家後、外界との縁を絶ちますが、その後再び人と関わらざるを得ない状況となり、講師の仕事や悩み相談を行われてきたとのこと。
私が入会しているむさしの吉祥寺倫理法人会のモーニングセミナーでお会いし、何度かお話していて興味を感じ、オカルティズム講座の講師にとお誘いしました。

今回のドリンクは、普洱茶の古茶をご用意しました。
塊になっているものをほぐしながら淹れるもので、15年以上熟成させたものは薬茶となるのだそう。
私が持っているものはそこまで古くないと思いますが。

宇宙の法則2020221_200302_0006

市川氏のお仕事の一つで、家祈祷というものがあるそうです。
伺った時は、ものすごく暗くて小さい部屋が、ご祈祷後に見違えるように明るく広くなるのだそう。
またあるお宅に伺ったところ、ものすごく立派な革張りのソファがあり、そのソファにご主人が執着されていたそうです。
ご祈祷後にソファを見ると、まるで同じものとは思えないくらい、ボロボロで小さかったのだとか。

また、何度捨てても、部屋に戻ってくる品物がある、ということも仰っていました。
ほとんどホラー映画ですね・・・。

叶わない願いはない、ということ。
例えば今からジャニーズに入ってアイドルになる、という願いは叶わないかもしれない。
でも、ジャニーズに入ってどうなりたいのか、などその先を考えると、何かしら願いの本質のようなものがあるはずで、その本質の部分は叶えることが可能だそうです。
見えない世界が動いた時、奇跡は起こります。
アストラル界とかイデア界とかにアクセスする、ということでしょうね。

でも人間は脳に支配されている。
だからできないとか無理という思い込みに捕われてしまう。
その為、脳をコントロールする必要がある。

脳をコントロールする術は、ゴールを決めること。
決めると、道が見えるようになるのだそう。
苦難を抜け出す道は一つ。ということも仰っていました。

また、お坊さんならではですが、観世音菩薩の役割についても教えて下さいました。
観世音菩薩は、世の中を観て、音によって教えを説く、という仏様なのだそうです。
何かしらの音によって気付きを得た時、観世音菩薩の力が働いているのですね。

「大象不遊兎径」という言葉を教えて頂きました。
大物は細い道に迷い込まない、という意味だそうです。
ただ、細かいことに拘らないということは、時として無神経と思われてしまうのだそう。
私も恐らくこのパターンです・・・。

最後に、肩をほぐすという気功の治療も行って下さいました。
肩を押されると、ものすごくぽかぽかします。

宇宙の法則2020221_200302_0004

時間を大幅にオーバーして、受講者の方々に個々にお話をして頂きました。
とても喜んで頂けて良かったです。

何故受講者を選ぶかというと、オカルティズムもそうですが、スピリチュアル寄りの内容で怖いのは「盲信」なんですよね。
常に自分自身で考える習慣をつけていないと、悪意のある(いや、例えなくても)「能力者」的な人に、ころっと騙されてしまいます。
皆様もくれぐれもお気をつけて。

宇宙の法則2020221_200302_0001

今月の講座は、「ユング元型論」。
コロナの影響でまた受講者が少なそうですが、とても面白い研究ですので、是非遊びにいらして下さいませ!


第十一回 「ユング 元型論」  
2020年3月20日(金)19:30~21:00
講師:由良瓏砂
アシスタント講師:長南浩

心理学者カール・グスタフ・ユングは、太古の神話や宗教に現れる、多様な時代や文化を超えた人類共通の記憶=集合的無意識に、「元型(アーキタイプ)」と名付けました。
自己(セルフ)、自我(エゴ)、影(シャドー)、太母(グレートマザー)、アニマとアニムス・・・。
.ユング心理学の根幹を成す「元型」論を中心に、彼の思想を読み解きます。
ご予約フォーム

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03

09

03:50
Mon
2020

No.0300

犬鳴村

先月、神保町スピノールギャラリーにて、井上雅彦氏の新刊「珈琲城のキネマと事件」のブックトークを開催しました。
その打ち上げの席で井上氏が映画「犬鳴村」の試写会に行ったというお話をされていました。
私は残念ながら詳細を聞き漏らしたのですが、後味が悪いラストだったとか。
いずれにしても、清水崇監督作品で、都市伝説を題材にしたホラーということで、非常に興味を持ちました。
《哲学者の薔薇園》の常連で、翻訳家の夏来健次氏(通称鵺さん)が早速観に行ったというので、羨ましく思った私。
相方を誘ってみるも「ホラーは嫌だ」と呆気なく断られたので、お世話になっているホラー好きの作曲家、KANAMIさんをお誘いし、首尾よく了解を取り付けました。

当日は、私がレトロ喫茶取材に行きたいばっかりに、錦糸町という馴染みのない街の映画館で待ち合わせ。
封切後間もない割にそこそこ空いている気もしたけど、普段そんなに映画館に行かないので、普通どの位の客入りなのか分かりません。

さて、以下感想になりますが、ネタバレ含むと思いますので未見の方はご注意下さいね。

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓


前半は結構怖かったです。
ジャパニーズ・ホラーならではのじめっとした質感。
特に衝撃的だったのは、ある登場人物が降ってくるシーンなんですが、後半により一層びっくりさせられました。
隣のKANAMIさんなんて「わっ」って声が出てました。

この状況、主人公も相当怖かったと思う。
なのに何故かその後、トンネルを越えて村に入る決意をする。
何でやねん。

そこで、以前から主人公を見守ってきた男が登場。
謎解きターンに入り、怖くなくなるやつです。
少なくとも怖さの種類が変わって、スリラー的怖さになります。
恐怖って結局、正体不明だから恐怖なんですよね。

古い映像を観るシーン、「女優霊」を思い出しました。
これも違う意味で怖かったなー。

トンネル脱出のシーンは、ギャグだと書いているレポートがありました。
確かにあれは不可解。
逃げられるのにわざと逃げないみたいな撮り方。
ラストもホラーでは良くある感じでした。

でも全体としては、程良くまとまっていたと思います。
あまりはっきりとは描かれませんが、被差別部落のような因習的な要素に、新旧の都市伝説、タイムパラドックスまで混ぜ込み、かなりのてんこ盛り状態。
それを特殊能力を持つ主人公目線で描いているお陰で、説明的になり過ぎずにストーリー展開できたのかなと思います。
(犬神筋とかも絡んでるのかな、と思いましたが、ちょっとその辺りは断定できません)

ところで、冒頭の明菜が小屋の前にいるシーンで、一瞬明菜の下腹辺りが血に染まっているのが見えたのが気になりました。
ところがKANAMIさんに聞いても鵺さんに聞いても「見ていない」と言います。
ネットで調べても出てきません。
何となくYoutubeを見ていたら、冒頭の数分間が公開されているではありませんか。
見てみると、ちゃんと映っています。
鵺さんに話したところ、ブログのネタにして下さいました。

どんぺりもってこい

KANAMIさんは「邦画は洋画に比べると、映画館で見る用に作られてないのが勿体無い」というようなことを仰っていました。
私もそれはよく分かります。
あまりスペクタクル的な要素がないというか、日常的な題材のものが多いのかな、と。
折角の大画面を生かせるよう、ドラマと差別化することが出来たら良いですよね。
エンドロールのドローン撮影は、そういう意味ではとても良かったと思います。

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