No.060
オルゴールの歴史・後編
シリンダーオルゴールのメーカーは、一説によれば最盛期は100社を超えたとのことですが、メーカー不明のオルゴールも多くあります。有名なところで、前述のパイヤール(ペイラード)、ステラ、ミラ等の名器を世に送り出したメルモ(ド)・フレール、ルクルト・フレール(ジャガー・ルクルトのルクルトFamilyとは別)、二コール・フレール、ヘラー、コーション、B.H.アブラハム、ラングドルフ、トーレンス、そして現在も続くリュージュ、などがあります。
一方ディスク・オルゴールは、三大メーカーと呼ばれる、ディスク・オルゴールの生みの親・ロッホマンの会社シンフォニオン、シンフォニオンから独立した技術者によるポリフォン、ポリフォンがアメリカに進出し設立したレジーナ、この三社がシェアのほとんどを占めていました。
シンフォニオン、ポリフォンにカリオペを加え、ドイツの三大メーカーと呼ぶこともあります。
第二次大戦後、株式会社三協精機製作所(現・日本電算サンキョー株式会社)がオルゴールの製作を開始。
リュージュ、トレーンス、三協の三社がしのぎを削ります。
三協は一時、世界のオルゴール・ムーブメント(機械部分)のシェアの80~90%を占めるまでになりました。
現在、日本のオルゴール・ムーブメントを作っているのは、三協と東洋音響の二社。
(オルゴール製造会社は幾つかあるようですが、ムーブメントの製造に関しては裏付けが取れませんでした)
海外ではスイスのリュージュ、レジーナの流れを汲むアメリカのポーター、カリオペの復刻版を製作しているドイツのMMM、新興メーカーである中国のユンシャンなどがオルゴールの生産を行っています。
今まで何度かご紹介した、むらいこうじ氏のピエロオルゴール以外に、三協のオルゴールでよく見掛けるものをご紹介します。
オルゴールに良く使われるのは、アンチモニーという合金。アンチモニーのオルゴールはずっしりして豪華な雰囲気です。
ベロアの内張りに金属の透かし彫りとカメオが美しい、ガラス蓋のオルゴールは、小樽オルゴール堂で販売されているもののようです。
色違いの赤も扱ったことがあります。こちらで販売中。

少しデザインの異なるこちらは、蝶が羽ばたく愛らしいメカニズム。こちらで販売中です。

それから、オートマタの一種とも言えるオルゴール・ドール。
背中のゼンマイを巻くと、音が鳴り出します。
このタイプはロサ・アンティカでも度々お取り扱いしておりますが、相方によれば、可愛いさにかなり個体差があるそうです。

三協からは、高級オルゴールであるオルフェウス・シリーズも販売されていますので、いつか扱ってみたいと思っております。
ランキング参加中。是非クリックお願いします!現在の順位も確認できます。



にほんブログ村