No.0116
ベルギー奇想の系譜展
展示などに行こう行こうと思いながら行けない時も多いですが、最終日に駆け込みで行くというのも多い私。アルチンボルド展の方は根拠はないものの、アルチンボルド以外はあまり見るべきものはないんじゃないかとそこまでの熱意はなかったのですが、ベルギー奇想の系譜展には何とか行こうと思っていました。
23、24日は《哲学者の薔薇園》と『ヒナコルメル處女美術館』のコラボイベント「乙女幽霊館」というホラーカフェバーの開催日だったのですが、イベントは夕方からの為、24日の最終日に頑張って(私にしては)早起き。
初台教会のミサに行き、富ヶ谷のコーヒーショップFuglen Tokyoにパンを持ち込んでランチしてから、東急文化村に向かいました。
入り口のギャラリーでは何をやっているかしら、と覗いたら、ちょうどこの間記事にもした(→こちら)、万華鏡の大々的な展示即売会。こちらも最終日です。
大勢の人で混み合う会場を駆け足で覗いてみましたが、外形も中身も独創的なデザインばかりで、目移りするばかりでした。


まずは目的のミュージアムへ!と後ろ髪を引かれつつ地階へ。
入った途端、ずらりと並ぶ「聖アントニウスの誘惑」!
この画題は子供の頃、ダリとエルンストの絵で見て以来もの凄く好きで、常日頃もし世界の絵画を思いのままにキュレーションできるなら「バベル」展と「聖アントニウスの誘惑」展をやるのになあ、と夢想しているくらいなのです。
私の好きなピーテル・ハイスの「誘惑」もありました。ここにはなかったけどダフィット・テニールスのも好き。
そして知らなかった新事実(私だけか?)。幼児キリストを背負って川を渡る聖クリストフォロスの周りには、怪物が描かれる慣習があったのですね。何で聖クリストフォロスが聖アントニウスと混合されるんだ?って不思議に思ってしまいました。
それにしても最近、ボスやブリューゲルが何かと取り上げられるような気がするのは気のせいでしょうか?
最初の北方ルネサンス、ネーデルランド派のエリアの次は、ベルギー象徴派と表現主義のエリア。この辺からわりと空いてきたような気がします。
悪魔主義的といった雰囲気が漂うロップスやクノップフの絵は嫌いではないものの個人の内面に焦点が当たっている感じで、ルネサンスの頃にある俯瞰した視点が欠けているように思えます。アンソールも違う意味で個と向き合った画家ですね。
ヌンクの「黒鳥」と「運河」を見て、以前彼の作品のポストカードを購入したことを思い出しました。どこかの広場に集う黒衣の人物の絵だったと思います。作風は異なるものの、フリードリヒなど暗鬱な色調で描かれた、人の姿の見えない、もしくは風景に溶け込んでいるような作品にはどうにも惹き付けられます。
そしてシュルレアリスムから現代までのフロア。
マグリットも中には好きな絵もありますが、広告のデザインみたいであまり魅力を感じません。
しかしデルボーの神話的魅力といったら!電線や汽車といった現代の風物が、神殿などと共存していても全く違和感を感じないところも良いです。
木村龍さんの「いおぎい国」と、デルボーの絵画世界には共通のものを感じるのです。
最後にもう一度、ボスの追随者たちの「聖アントニウスの誘惑」を見ようとフロアを逆走したところ、入口付近に人がぎっしり!
最初の方が混み合うのは当然ですが、やっぱり人気があるのもボスやブリューゲルの辺りの画家なのかな、という印象でした。
帰りにもう一度万華鏡展寄ろうかな、とギャラリーを眺めると、なんとこちらは入口に行列が出来ているではありませんか。
うちの在庫もあやかって売れるといいな、などと思いつつ、文化村を後にしたのでした。
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