No.0356
アピシウス
相方の悠雅くんのお誕生日、今年は緊急事態宣言下とあって旅行に行くことは躊躇われましたので、都内のフレンチ・レストランを予約することにしました。お店を探して予約をしたのは、誕生日である27日の、ちょうど一週間前。
普段予約が取りづらいお店も、今はチャンスかも知れない、と思っていたのですが、カンテサンスは三ツ星だけあって、この状況下でも予約が塞がっているようです。
最近はモダン・ガストロノミーやヌーベル・キュイジーヌのお店が多かったし、グランメゾンで伝統的なフレンチを楽しむのも良いかな、と思いました。
少し前に、とても気に入っているお店の一つだった芝のクレッセント閉店のニュースにショックを受けたのもあります。
由緒正しいグランメゾンと言えど、いつ無くなってしまうか分からないのだから、なるべく行っておこう、と思ったのです。
何だかんだ言ってレカンもロオジェもトゥール・ダルジャンもまだ行っていませんので、選び放題です。
ローマの美食家から名前を取ったという「アピシウス」が名前のインパクトがあっていいかな、と思い、ネット予約をしたところ、すぐに折り返しがありました。
アレルギー等をお伝えし、無事予約完了です。
ちなみに男性は上着着用なのが若干不安でしたが、相方の着る服はちょっと特殊だけどジャケットには違いないので、たぶん大丈夫、と自分に言い聞かせます。
さて当日、日比谷駅で下車。
ペニンシェラ東京を横目に、蚕糸会館へ。

外階段を降り、予約時間数分前に、地下のお店に到着しました。
クロークでコートを預けると、すぐに席に案内されます。
ウェイティングバーは落ち着いた雰囲気で、大人の社交場という感じでした。
メインダイニングはテーブルの間隔が比較的近く、そしてギャルソンの数がとても多い!
入口付近のテーブルには、大きな林檎のオブジェが鎮座しています。
アールヌーヴォー様式の鏡やランプが、優雅な空間を演出しています。
お通し的に、アンチョビ詰めのオリーブを盛った皿が出されたのが、珍しかったです。
ランチメニューは3種類ありましたが、私も相方も一番安いコースにして、前菜は二人とも「宮城県産牡蠣のフラン キャビア添え サフランクリームソース」を。
メインは私が「国産牛肉とフォアグラのカイエット仕立て ペリグーソース」、相方が「アピシウス特製 冬のブイヤベース」。

アミューズ・ブーシュは、サーモンやパプリカのクスクス仕立て。
フランスってモロッコ料理屋さん多いんですよね。
モスクでクスクス頂きましたが、正直あまり美味しいものではないな、と思ってました。
あ、イタリアのポレンタも。

前菜の牡蠣は、ぷりぷりしていてすごく美味しかったです。
周りのクリームソースは茶碗蒸しみたいに固まっていて、その中にも牡蠣のピューレが入っているんです。
添えてある人参や大根は、綺麗に丸くくり抜かれていました。

次はいよいよ、メインです。
フォアグラ入りのハンバーグを牛肉で巻き、更に皮と何かで包んでいる、との説明でした。
下には紫大根などが散りばめられたマッシュポテトが敷かれ、トリュフソースが周りを取り巻いています。
お肉とフォアグラの旨味が溶け合って、絶妙な味わいでした。

相方が頼んだブイヤベースは、見た目よりもかなり濃厚なスープだそう。
鱈、金目鯛、チョウザメと3種類もの白身魚にアワビ、ホタテ、と2種類の貝という、豪華な具材。
中央の白子のベニエが絶品だといって、少し分けてくれました。
甲殻類アレルギーなので、海老もくれました。
蟹はダメだけど、海老は火を通していれば比較的大丈夫なのだそうです。
パンも二種類頂いたので、ここまでで大分お腹いっぱいになりましたが、最後にデザートワゴンが控えています。
ケーキは10種類くらい、他にアイスクリームとジェラートも数種類、とのことでしたが、パリブレストと苺とピスタチオのダッグワースだけ頂きました。

相方は4種類頼んでいましたが、いつも全種類とか言うのに珍しいな、と思ったら、柄にもなく遠慮していたようです。
紅茶のアイスクリームを頼めば良かった!と残念がる相方。
そして私も、タルトタタンも頼めば良かったなあと後悔。
パリブレストのクリームが濃くて滅茶苦茶美味しかった!」

ギャルソンが写真を撮って下さったのですが、「ポール・ギヤマンの絵も入れますね」と、粋な計らいをして下さいました。
帰り際にもシャガールの絵を見ましたし、後で知りましたがワイエスやビュッフェ、ユトリロの絵も飾られているのだとか。
いつも、フレンチレストランでも壁の絵に拘りのないお店が多いことを残念に思っていたので、アピシウスの美意識には少なからず感激しました。
お食事の後、支配人の永井氏が「何で知ったんですか?」と話しかけて来て下さったので「昔のアルバイト先で見田盛夫氏の本を出版していたので」とお話しすると、「見田盛夫さんはうちの店を気に入ってよくいらしてたんですよ」ととても懐かしがって下さり、晩年の様子などをお話して下さいました。
見田氏の「東京エピキュリアン」は今手元にないのですが、そういえばアピシウスについてはかなり好意的な記事を書かれていた記憶があります。
満足してお店を出て、相方の行きたいと言っていた、コニカミノルタプラネタリウムへ。
「Starry Island 南十字星を見上げて」というプログラムで、南半球の星空の素晴らしさはもちろんのこと、北極点を起点に南への旅をする、という映像が、
夜空の星の見え方がどのように変わっていくかがとても分かりやすくて、素晴らしかったです。
それ以上に素晴らしかったのは、銀河の中に突入していく映像。
遊園地のアトラクションのような臨場感でした。
後半の、世界の風景を旅していくという映像も綺麗でしたが、夢うつつの状態で見ていました。
売店で売っていた天球儀キーホルダーが可愛かったので、プレゼントにしました。
イトシアのラ・メゾン アンソレイユターブルで、ケーキを買って帰宅。
悠雅くんにとって、この一年が良い年になりますように!
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