Rosa†Antica(ロサ・アンティカ) - アンティーク・レトロ雑貨店店主、女優、人形作家、由良瓏砂のブログ

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Thu
2017

No.0131

アウトローブラザーズの麗子人形


さいたまスーパーアリーナ骨董アンティークフェア、無事終了致しました!
今回は初日オープン時の人出はあったものの、全体にあまり成績が振るわず・・・他のお店でもそんな感じだったとの噂も。
次回開催は未定だとか。何とか継続して欲しいものです。

毎回、マンタムさんのお店には看板のようなオブジェ作品が飾られますが、今回は一際目立つ、巨大な十字架にかけられた麗子人形でした。
澁澤龍彦「犬狼都市」に登場する令嬢ですが、マンタム作の麗子は何故か豚の頭を持つ白いマネキン。



実は私、原案となったマンディアルグの「ダイヤモンド」は何度か読んでいますが、「犬狼都市」そのものはまだ未読なのです。

先日、友人のまゆみさんにお誘いを受け、世田谷美術館で開催中の「澁澤龍彦 ドラコニアの地平」に行って来ました。
集まったのは作家の菅野彰さん、大学准教授の田中東子さん、ライターの菊地清香さんら、澁澤に対しては一家言ある面々。
その際にも話していましたが、やはり澁澤は通過儀礼的に読まれるもので、ずっと澁澤に拘り続ける読者というものはそういないのでは、と思います。
私も、高校生の時に友人から借りて読んだ「黒魔術の手帖」「毒薬の手帖」あたりを皮切りに、「妖人奇人館」「世界悪女物語」「人形愛序説」「少女コレクション序説」といったエッセーは随分読みましたが、円環的構造を表す今回の展示の最初と最後に取り上げられた「高丘親王航海記」も考えてみれば未読ですし、小説を意外と読んでいないことに気付きました。
実家が鎌倉で、高校が北鎌倉だったので、澁澤龍彦邸を覗きに行ったことはありますし、鎌倉文学館で展示を見たり、敬愛する高橋たか子氏のエッセーに登場する氏の姿に親しみを感じたりはしていましたが、世田谷美術館の展示によって今まで知らなかった澁澤氏の新たな魅力を色々と発見できました。
取り分け瀧口修造、土方巽、三島由紀夫、種村季弘、四谷シモンや龍子夫人といった周囲の人々との交流の様が微笑ましく、スペインの魅力を語る文章からも、紹介した文学・芸術作品のおどろおどろしいイメージとは裏腹の、闊達な人柄が偲ばれました。

高橋たか子氏との共訳「大理石」もあるくらいマンディアルグの作品を愛好していた澁澤氏が翻案した「犬狼都市」。
そのうちに読んでみないと、と、バラの花束で鞭打たれる「オートバイ」のヒロイン、レベッカの如く十字架に磔になった麗子人形を見ながら、思ったのでした。

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