No.015
ビスクドールに見るお国柄
アンティークビスクドールにもピンからキリまであり、最高峰のブリュや希少価値の高いA.Tなどは何千万もするものも少なくない一方、ドイツのアーモンド・マルセルなどは流通量が多く、一万ちょっとで手に入ることもあります。フランスとドイツ以外では何故かあまりビスクドールが作られておらず、特に陶磁器メーカーの多いイギリスでビスクドールが生産されなかったのは何故なのか、気になって調べたのですが良く分かりませんでした。
すべて陶磁器製のフィギュリンという小像は陶磁器メーカーでも作られているのですが、いわゆる人形はペーパー・マッシュやワックス製が中心になるのです。
どうもイギリス人の好みには、日本人と似たところがある気がします。
永遠に変わらない堅固なものより、自然のままに変化し朽ちてゆくものへの愛着が、人間の姿に似た人形の素材に、より可変的なものを選択させたのではないかと、これは私の想像です。
フランスとドイツのビスクドールの違いですが、フランスの子はどちらかというと澄ました感じのお嬢様で、ドイツの子はもうちょっと素朴な雰囲気の子が多い印象です。
もともとファッション・ドールとして生まれたビスクドール、人形はあくまで服を見せる為のモデルだった訳ですが、ドイツではビスクドールが登場する前から、子供の玩具として人形が作られていた為でしょう。
また、職人的な技術の発達していたドイツのビスクドールには、スリーピング・アイという寝かせると目をつむる仕組みのものが多いです。

このケストナーの人形は、眉が別パーツとして作られている珍しいものです。一見して、眉が動くギミックなのかと思いました。
ビスクドールは大抵は描き眉ですが、たまに植毛されているものもあります。
この子の眉も元々は毛が植わっていたと思われますが、それにしてもなぜ眉が独立して作られているのか、興味深いところです。
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