Rosa†Antica(ロサ・アンティカ) - アンティーク・レトロ雑貨店店主、女優、人形作家、由良瓏砂のブログ

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09

14

22:25
Fri
2018

No.0191

過剰と欠如

先日、マンタムさんの住居兼倉庫の片付けの手伝いに行って来ました。
近々引越しをしなければならず、それに先立ってほぼゴミと化している古物の堆積の片付けと移動をしないといけないのですが、掃除が本当に嫌いらしく鬱々としているのを見兼ねたのです。
マンタムさんの住居の凄惨さは、かねがね噂には聞いていました。
都築響一氏が取材に来たものの、ベッドの上にしか居場所がなかっただとか、部屋の中でも上履きが必要だとか。



当日は朝に小田急線の駅前で待ち合わせたのですが、色々あってマンタム邸に到着したのは午後になってから。
建物は家というか完全に倉庫でした。
上履きに履き替えるようにとの指示もなく、靴のまま上がりました。
住居の2階に上がるには足場を確保しないといけないくらい危険な状態でしたので、靴のままで正解だったと思います。
ちなみに1階は、入口付近のものを撤去しないと中に入れなさそうな感じでした。
倉庫は倉庫でも廃墟、それも災害に遭って人が住まなくなり10年位経っているような雰囲気のところです。
仮にも古物の師匠なので、そう酷いことは言わずにおきますが、控え目に言って人間の住むようなところではありませんでした。
2階も同様でしたが、荒れ果てた園場所には似つかわしくない位に毛並みの美しい2匹の猫が、壁際のベッドの上に寝そべっていました。
ルリさんと長次郎です。
あまりこちらに関心を示さないルリさんに引き換え、誰にでも懐くという黒猫の長次郎は私を熱烈歓迎してくれました。



それから数時間、蚊に悩まされつつ屋外にて作業。
バイト代は、発掘されたものの中から好きなものを何でも。

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帰り際。これでも作業は進んだのです。



帰りにマンタムさんが、ファミレスで晩御飯をご馳走してくれました。
つい前置きが長くなりましたが、この記事のメインはそこでの会話です。

マンタムさんは、私がこの先どのような活動をしていくといい、というアドバイスを度々下さるのですが、この日も私が「余り知られていないけど良いと思うものを世の中に紹介したい。人と人を繋ぐのも向いていると思う」というような話をしていると、「これ良いから見て下さい、だけでは、そこで終わってしまう。体系立てていかないと」と言われました。
また、「瓏砂のやりたいことの世界観とか雰囲気は分かるが、具体的な形が見えない」とも。
なるほど、そうだと思います。
よく私は自分の作品を説明するのに「神秘主義的」という言葉を使います。
カトリックである自分としては腑に落ちる表現なので使いたくなるのですが、神秘主義とは何かというと「神との合一」です。
つまり自己の内的体験なのです。
しかし表現活動は、自分と世界との結びつきですから、神秘主義という言葉で分かってもらいにくいのは当然です。

それなら、活動を説明する言葉として何が適切だろう、と考えていて、ふと「過剰と欠如」という言葉が思い浮かびました。
言ってみれば「陰陽」と同じものかも知れません。
更に突き詰めれば、適材適所の考え方です。
私は、人間は誰しも一番相応しい場所に置かれれば輝くものだと思っています。
過剰なもの、欠如したもの、など一般的な尺度からはみ出したものを、排除するのでなく受け容れることのできる社会。
それを実現するのに一役買うことができれば、私の活動にも些かなりと意味があると言えるのではないでしょうか。

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