No.0235
上野紀子さんのこと
子供の頃、大好きだった絵本があります。「ほしのきかんしゃ」というお話です。
主人公の「わたし」は、黒い服に黒い帽子をかぶった女の子。
「わたし」がバスを待っていると、機関車がやって来ます。機関士はピエロです。
つい飛び乗ってしまいますが、機関車はやがて空に羽ばたき始めます。
実はその機関車は、星たちにサーカスを見せる、サーカス団のものだったのです。
星たちと一緒にサーカスを楽しんだ「わたし」は無事、元のバス停に帰してもらいました。
今度はちゃんとバスが来て、バスに乗り込むと、乗客はみんなどこかで見たことのあるような顔・・・。
私は弟、妹の三人兄弟なのですが、私たちが大好きだった従兄がいました。
従兄も三人兄弟だったのですが、なぜか真ん中の彼だけうちがお気に入りだったらしく、よく一人で泊りがけで遊びに来ていたのです。
私が中学生の時大学受験でしたから、5つくらい上でしょうか。
その従兄が来る度に、一緒にこの「ほしのきかんしゃ」を読んでいました。
この絵本を読むのは彼と二人だけの楽しみだったので、どこかしら秘密を共有するような、わくわく感があったものです。
帽子を目深にかぶって目の描かれない黒い服の少女は、この絵本の作者、上野紀子さんの定番キャラクター「チコ」だと知ったのは、ずいぶん後のこと。
「ほしのきかんしゃ」は小学校低学年向けくらいの本でしたが、それでもミステリアスな雰囲気はかなり出ていて、私の趣味嗜好の形成に強く影響を与えていたと思います。
上野紀子さんは、ご主人の作家 中江嘉男さんと組んで沢山の絵本を出していて、もっと一般向けの「ねずみくんシリーズ」なども知られていますが、シュルレアリスム色の色濃いチコの出てくる物語には、大人向けのものも沢山あります。
その中の一つが「宇宙遊星間旅行」。
2017年11月にも、喫茶茶会記でのプラネタリウムイベントで、朗読させて頂きました。


その上野さんが、今年2月に逝去されたと知ったのは、3月も半ばのことでした。
大好きな作家さんを偲んで、また「宇宙遊星間旅行」を読みたいな、と思いました。
明日になりますが、4月15日の喫茶茶会記でのプラネタリウム朗読会。
いつも司会を引き受けて下さるカヲルさんが、素晴らしいオープニング映像を作って下さいました。
同じく司会をお願いしている長南さんのタロットブースもございます。
スタートは恐らく、19時半くらいになると思います。
お仕事帰りにでも、是非遊びにいらして下さいませ。

4/15(月)15-23 「プラネタリウム朗読会」@喫茶茶会記
チャージ500円
https://rosarium.red/
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