Rosa†Antica(ロサ・アンティカ) - アンティーク・レトロ雑貨店店主、女優、人形作家、由良瓏砂のブログ

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Sun
2020

No.0294

Gallery幻企画展「エディプスの禁忌」レポート

年明けに告知した通り(こちら)、1/10(金)~26(日)にギャラリー幻で開催された企画展「エディプスの禁忌」に参加させて頂きました。
私を推薦して下さったのは、企画の言いだしっぺだったDollhouse Noahさん。
昨年8月のクトゥルフ神話展「知人の■■氏に招かれてあなたはここへ来た」のレセプションで、豚蛇さん作のクトゥルフ神話巻物「妖神乱舞」を朗読させて頂いたのですが、今回も近親愛テーマの物語を朗読して欲しかったとのこと。
でも、展示なので朗読だけの参加はちょっと寂しいな、と思い、旧作の姉妹の人形「テルル」と「セレン」を出品することに。
どちらもサーニット製の子で、テルルは男装の麗人という設定です。

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新作も欲しいと思い、私のバイブルにも等しいジャン・コクトーの「恐るべき子供たち」をモチーフにした作品の製作を思いつきました。
古典的な作品なので普通に表現するのでは陳腐になってしまいますが、写真を撮影し相方にCG加工してもらえば、新たに光を当てることが出来るかも、と思ったのです。
私は「恐るべき子供たち」の真の主役は子供たちの部屋だと思っているので、できれば部屋のセットを作り込みたかったのですが、テーマ的には人物を主体にしないと成り立ちません。
二人が「出かける」場面を、エリザベートは自分で演じ、相方にポール役をお願いしたのですが、嫌だと言います。
「人形を使いなよ」というので、仕方なく相方をモデルに製作した「Val」にポールをやってもらうことに。
判りやすいように、「恐るべき子供たち」の映画のワンシーンと同じポーズで撮影。
もう一作はラストのエリザベートが息絶えると同時に、部屋の精霊が飛び去るところ。
これは敢えてポールは入れずに、CG作品に仕上げてもらいました。

もう一つ、小さな額があったので、鉛筆画を描くことにしました。
こちらもコクトーに敬意を表し、彼が愛したジャン・マレーとマリア・カザレスをモデルに描き始めましたが、最終的にはそんなに似なかったと思います(笑)。
無彩色だと味気ないので、うっすらと彩色。

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会場では、赤と黒の背徳的な色彩が、このテーマに相応しい背景を演出していました。



艶子さんの作品は、愛する家族の体のパーツを瓶詰めにしたもの。
標本好きの私には、ぐっとくるものがありました。  
川口ヱリーさんの作品は、半人半蛇という畸形の中国娘の姉妹?のイラスト。
七菜乃さんは幼い姉妹を撮っていて、作品中で一番無垢な雰囲気でした。
Noahさんの作品モチーフは、夢野久作の「瓶詰めの地獄」。
妹の人形だけなのが、ちょっと残念でした。
瀧川虚至さんは、蔵の中に住む兄妹を描いた漫画作品を出展。横溝正史の世界観そのままの美しさ。
真子さんの作品は、女装したセルフ・ポートレート。これも考えてみたら究極の近親愛ですね。
マルセル・デュシャンとローズ・セラヴィを思い出します。
古川沙織さんはシャム双生児や、緊縛された少女。官能的な表情が印象的な背徳的な作風で、人気があるのも頷けます。

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1/18のレセプションでは故・速瀬れいさん作「銀の螺旋の夜」「金の孔雀の夜」を朗読させて頂きました。

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この作品を読むことは、お誘い頂いた時から心に決めていました。
「パパ」と「ユリカ」のロマンティックな・・・と見せ掛けて、かなり残酷な物語。
「銀の螺旋の夜」と「金の孔雀の夜」は、物語の前編と後編のような関係ですが、大分趣が異なります。
18時から「銀の螺旋の夜」、19時から「金の孔雀の夜」を朗読したのですが、半数近くの方には両方とも聞いて頂けました。

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撮影して下さったNoahさん、有難うございました!

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レセプションでは、ギャラリー幻の店長でもある艶子さん、Noahさん以外にも、七菜乃さん、真子さんと出展者の皆様とご一緒できて、楽しい時を過ごせました。

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沢山のお客様に聞いて頂けたのも、とても嬉しかったです。
速瀬さんの作品はいずれも、頁を開くと薔薇のような甘美な馨りが立ちのぼります。
それでいて、胸が締め付けられるような細やかな心理描写も巧みで、瑞々しい感性に溢れています。
この独自の美を、もっと沢山の人に知って欲しいという気持ちを改めて持ちました。

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朗読にも丁度良い長さの作品が多いので、いずれまた、お聞かせする機会があるかも知れません。
その時をどうか、お楽しみに。

※作品画像の掲載NGの作家さんがいらっしゃる為、自分の作品以外は接写のアップを控えさせて頂きました。

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