No.051
ピエロの起源
以前にもご紹介した(→こちら)むらいこうじ氏のピエロのオルゴール「DANCING CLOWN」、最近幾つか入荷しました。そのうち一つは紙製のBOXではなく、プラスチック製の珍しいもの。

これは早速売れてしまいました。
あとの2つのうち1つは、以前にも扱ったことのあるデザインですが、とても状態が良い上、外箱入り。(→こちら)

もう1つは結構ダメージ有りです。(→こちら)

ところで、「ピエロなのにクラウン?どっち?」って思いませんでしたか?
実は「ピエロ」という名称がメジャーなのは日本だけなのです。
本来はクラウンが道化師の総称で、ピエロはその中の一種。
フランスの喜劇芝居の登場人物で、可笑しさの中にある哀しみを表現する為に、涙のメイクをしているそうです。
更に遡ると、イタリアの仮面劇コメディア・デラルテに登場する道化役のプルチネッラが元になっているとか。
外見は一般的なピエロのイメージとは異なり、黒い仮面に白い服、鷲鼻で太鼓腹。イギリスではパンチと呼ばれるようになりました。
コメディア・デラルテは能と同様、ステレオタイプなキャラクター達によって演じられる即興劇です。
学生時代、藤沢市で来日公演があった時、行きたかったのですが結局行けず、残念な思いをしました。
コメディア・デラルテには悪魔の仮面を被り、赤・緑・青・黄など色とりどりの菱形模様の服を着た、悪戯者のアルレッキーノという道化役もいます。
フランスではアルルカン、イギリスではハーレクインと呼ばれています。
アルルカンといえば、私が一時期講師を務めていた木村龍さんの人形教室の隣にアトリエを持っていた、画家の西村宣造氏の得意なモチーフが、アルルカンでした。
1988年には「ARLEQUIN」という版画集も出版しています。
宣造さんが描くアルルカンは皆女性で、夢見るような繊細さとなまめかしさがありました。
宣造さんは身近な人間をモデルにすることも度々あり、私も何度か絵の中に登場させて頂いたことがあるのですが、彼の描く私は何故だかいつも三つ編みに上半身だけセーラー服で、お尻を剥き出しにして眠っているのです。
そういえば、私がセーラー服に三つ編みで人形を作っている写真がタウン誌に掲載されたことがありました。その印象が強かったのかもしれません。
そんな宣造さんが急逝されたのは、4年前の年の暮れでした。
人生の苦難を哲学的に笑い飛ばすような人だった宣造さんは、確かに道化のイメージにぴったりだったと思います。
ランキング参加中。是非クリックお願いします!現在の順位も確認できます。



にほんブログ村
- 関連記事
-
-
アドベントの過ごし方 2016/12/20
-
ピエロの起源 2016/11/29
-
ドマン? 2016/11/08
-
スポンサーリンク
ここに広告のコードを入れる