No.06
アンティークとレトロ
ロサ・アンティカは「アンティーク・レトロ雑貨店」と銘打っております。厳密な意味での「アンティーク」、つまり100年以上経った品物の取り扱いは多くはありませんので、「レトロ」と入れています。
100年は経っていないけれども古いものには、ジャンク、ブロカント、オールド、ラビッシュなどの呼び方がありますが、「レトロ」なら現在作られている「アンティーク風」のものにも使えるのです。当店で扱っているものにはそういったものもありますので、この呼び方は便利。
しかし骨董市に来られるお客様だけあって、皆様古いものがお好きなようで、「これは古いもの?」と聞かれることも多く、「それ程古くはないですね」とお答えすると大抵がっかりされます。かくいう私もそうですが。
「レトロ」は一般に大正・昭和初期の時代を懐かしむ意味でも使われます。
私のツボに嵌るものも、それ位の時代の和洋折衷というか、西洋趣味のものが多いです。
明治期の建築物にもそんな和洋折衷な西洋趣味がありますね。エキゾチシズムというのでしょうか。
西洋の側から見たエキゾチシズム、東洋趣味には、印象派やアール・ヌーヴォーの絵画に影響を与えた、19世紀ヨーロッパを席捲したジャポニズムやオリエンタリズムがありますね。
それより前には、17世紀に東洋からもたらされた白磁に憧れたアウグスト強王の命令で、錬金術師ベドガーが磁器焼成の試みを始め、マイセン窯が誕生したといういきさつもあります。
久生十蘭の短編小説「骨仏」は、ファイアンス陶器の白さを追求して人骨を混ぜんとする陶芸家の話で、すっかり東西が逆転してしまっていますが、ファイアンス陶器は淡黄色の生地に錫釉をかけて白さを表現していますので、久生氏は少し見当違いをしていたのかと思います。
閑話休題。
昭和の時代の西洋趣味の小物や雑貨といえば、例えば宝石箱や小物入れ。金属や陶器、ガラスなど素材は様々で、オルゴールのついている物も多いです。
相方の一推しだったそんな箱たちが、今回のアンティークフェアでは大人気。特にガラス製のものが好評でした。
私が今後力を入れたいと思っている洋食器類は、残念ながら今一つでしたが・・・。

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