No.074
書を捨てたもうことなかれ
活字離れということが言われて久しい昨今、あちこちで出版業界の苦境を耳にします。一方で電子書籍がいくら発達しても紙の本がなくなることはないとも言われております。
確かにそうに違いないでしょう。人間が実体を持つ存在である以上、質量のないデータでは所有欲が満足できるとは思えません。
モノに対するこだわりは無くなることはないと思います。
私は子供の頃から活字中毒で、子供向けの本に飽き足らず父の蔵書にも手を出し、毎週図書館で本を四冊ずつ借りては食事の間も本を手放さず親に怒られるという毎日でした。
従姉から時々送られてくる段ボール箱一杯の本が楽しみで、荷物が届いたら玄関で開けてそのまま読み出すという始末。
国語の先生が行っていた、年間100冊の本を読んで感想文を書いた子には図書カードをプレゼント、という企画にも欠かさず応募していました。
そんな私でも、読んでいない本は世の中にごまんとあるのです。
このまま多くの作品が人の目に触れることなく埋もれてしまうのはあまりにも惜しいと思います。
大人になるとやはり、本を読む時間がなかなか取れないということはあると思います。
私は最近、インターネットの青空文庫で文学作品を読むことがよくあります。
著作権が切れた作家が中心とはなりますが、今まで読んだ事のない作家の作品を気軽に読めるという点で、非常に便利だと思います。
先日、アルバイト先の同僚である20代男子から「本を読みたいけど何を読めば良いのか分からない」と言われました。
つい自分が好きなH.P.ラブクラフトを勧めてしまったのですが、よく考えると小説にも好みがありますので、青空文庫で好きな作家を探してみては、とアドバイスしました。
また、ネットで知り合った女性から西洋文学のお勧めは?と聞かれた時は、バルザック「セラフィタ」、ミルトン「失楽園」、ヘッセ「デミアン」「シッダールタ」「荒野のおおかみ」、コクトー「恐るべき子供たち」、ロレンス・ダレル「黒い本」、カフカなどをお勧めしました。
私のブログを読んで興味を持って頂いている方は、この辺りはお好きなのではないかと思います。
文学作品好きの私ですが、今まで戯曲は何度も書いているものの、真っ当な小説は殆ど書いたことがありません。
書こうとしたことはあるのですが、どうしても調べることが沢山出てきてしまい、書き始めるまでに至らないのです。
前回のブログでご紹介したまちさんと、ひょんなことから「リレー小説を書いて、完成したらそれを朗読しよう」という話になり、それなら気軽にできそう、と早速書き始めたところ、最近青空文庫で岡本綺堂を読んでいた為か、そんな雰囲気の書き出しになりました。
現在4人目まで進みましたが、なかなか面白い展開です。
ケータイ小説やライトノベルなど、気軽に書いたり読んだりできる環境が増えるのは、活字離れを食い止める良い傾向なのではないかな、と思っております。
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