No.094
消えゆくものたち
少し前にTwitter上で、「昭和に作られたビーズバッグは作る人がもういない。持っている人は捨てないで」とのツイートが話題になりました。骨董市や骨董店によく行かれる方はご存知かと思いますが、着物の量の多さには比べようもないものの、ビーズバッグもかなりよく目にします。安いものですと1000円位からあります。ロサ・アンティカでも結構扱いました。
アンティークフェアin新宿では中国人の方が良く買われて行きました。
ビーズの柄は表側が全面に模様、裏側がワンポイントのみの模様、というのが多いです。
質の良いものは、口金も繊細な装飾のあるものが使われています。
雪の結晶のようでもある花柄。

バッグでなくポーチですが、一風変わった童子の柄。

それが、そんなに貴重なものだったのか、と思いつつ、ツイートがきっかけでビーズバッグがもっと認知されればいいな、と思っていたのですが、どうもそのツイートへの反応を見ると、今作られていない云々は誤報だったようです。
昔流行したり日常的に使われていたものは数も多く、余程素材や技術が希少なものでない限り、古物的にはあまり価値のないものも多いのですが、それでも何かで取り上げられたりして一時的に価格が高騰したり品薄になったりすることはあります。しかしそれは運や偶然に頼る部分が大きいでしょう。
生活環境が昔と変わってしまい需要がなくなったもの、そういったものに新たな価値を見出し提案するというのも古物屋の使命だと思うのです。
以前に記事に書いた(→こちら)、コンテナとしてのアイロンやストーブなどもそうですし、古い荷車や糸車の車輪もジャンクガーデンのオブジェとして好まれています。また、木製の糸巻きは植木鉢の台として使われているようです。
今、古物市場で価値が下落していると言われているものに、茶道具や掛軸があります。
今時の家にお茶室があるとも思えませんから、これは無理もないことでしょう。
しかし、茶道は日本の貴重な文化です。形を変えてでも、生き延びてくれることを祈ります。
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