No.097
ウンダーカンマー 驚異の部屋
ドイツ語で「驚異の部屋」「不思議の部屋」を意味するウンダーカンマー。世界中から集められた珍しい蒐集品が並べられた、博物陳列室のことです。
15世紀から18世紀にかけてヨーロッパの王侯貴族の間で流行しました。
澁澤龍彦氏や荒俣宏氏の著作でその存在を知ったという方も多いでしょう。
そのウンダーカンマーをテーマにした展示が、6月15日から24日まで、初台の画廊喫茶Zaroffで開催されました。
私も何度か参加させて頂いている、お馴染み石神茉莉氏原作、瞳硝子氏代表のグループ展「玩具館 三隣亡」の13回目の展示です。

昨年7月の「The Call from the Deep Sea ~邪神幻想~」展の時も、武蔵小山TARUHOで関連イベントを開催させて頂いたのですが、今回もちょうど月一度の喫茶茶会記での《哲学者の薔薇園》が会期中に当たっていた為、イベントを提案させて頂きました。
石神作品をいつか舞台化したいと思っていたので、好機とばかり昨年一部を朗読させて頂いたタイトルもずばり「驚異の部屋」を今回は朗読劇仕立てにすることに。
恒例の上演後のトークショー出演者として白羽の矢が立った、三隣亡展空間演出のHdsロイ伯爵にオファーをしたところ、朗読も厭わないとのことでしたので、これ幸いと主人公の父親役で出て頂くことにしました。
主人公を神崎悠雅、私は主人公をウンダーカンマーへ誘い管理者へと任命する、キメラという存在を演じました。
このキメラ、原作者によれば「外見は少女、中身はおっさん」だそうなのですが(笑)、その姿も実は「騙し絵の立体化」で、人の目には人間に見えているけど実は色々なものの寄せ集め、というまさしく得体の知れない存在。
朗読劇としてはまず成功でしたが、そのうち本当のお芝居として上演したいところ。
深泰勉氏が司会を務めて下さったトークショーでは、石神さんが雑誌「ナイトランド・クゥオータリー」の編集者にウンダーカンマーのお題を与えられて、玩具館 三隣亡とも通じるものがあると「驚異の部屋」を書くに至った経緯から、目をびっしり配置したロイさんの室内装飾が実は入場者が見る側から見られる側へと転じ、ひいては蒐集品の一部にされているのかも知れない、という意図などが明かされました。
私が三隣亡の大阪展「邪神幻想 THE CALL FROM THE DEEP SEA」で出展したクトゥルフ神話風標本作品も、却って石神さんへのインスピレーション源となったという嬉しいお話も聞けました。


「玩具館 三隣亡」は年二、三度のペースで東京と大阪を中心に開催されています。
また、関連イベントとしてのパフォーマンスや演劇などもあるかと思います。
宜しければたまにHPを覗いてみて下さいね。
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